freeeが使いにくい? 簿記知識のある個人事業主が会計ソフトを「マネーフォワード」に乗り換えた理由

個人事業を始めたので、確定申告に向けてとりあえずfreeeを試していたのですが、妙に使いにくい。「かんたん」「自動」と謳われているしよくおすすめされているけどなんだかしっくりこない。

ということで他の候補も試すことにしました。

この記事は、私と同じような「中途半端な簿記知識持ち」で、「事業内容がちょっと特殊(ネット完結で、たまに海外からの入金もある)」、そして「なるべく固定費を抑えたい」人が、会計ソフトの沼から脱出するための体験記です。

免責事項:これはあくまで私個人の選定プロセスと体験の記録であり、特定のソフトを推奨・非推奨するものではありません。また、税務や会計に関する専門的なアドバイスではありません。最終的な判断は、ご自身の責任で、必要に応じて専門家にご相談ください。記事中の情報(特に料金)は執筆時点のものです。

なぜ「かんたん」なはずのfreeeが、簿記を知ってると使いにくいのか?

freeeの思想は、「借方(かりかた)」「貸方(かしかた)」を意図的に隠す方向です。ユーザーに「何をしたか(=家計簿的な支出入)」を選ばせ、裏側で仕訳を自動生成する 仕組みです。でも、簿記をかじった人間からすると、その隠された所が見えたほうがわかりやすかったりします。

freeeは「簿記の知識がない人」を助ける設計なので、中途半端に簿記や会計の知識がある私のような人間が使うと、「え、まって…」って感じで「簿記から家計簿に変換する思考の二度手間」が発生するようです。

例えば、プライベートのカードで事業の機材(消耗品)1,000円を買った時。

  • 私の脳内(簿記脳): (借)消耗品費 1,000 / (貸)事業主借 1,000 という仕訳を「振替伝票」みたいな画面で入力したい。
  • freeeのUI: 「支出」を選び、明細から「プライベートのお金で経費を払った」という専用の処理 を選ぶフローになる。

この「仕訳脳」から「freee語」への翻訳作業がしっくりきませんでした。

インターフェイスや挙動の重さなどは置いといて、もしこの「思考の翻訳、めんどくさい…」に共感したら。それはあなたのスキルと、ソフトの設計思想が「ミスマッチ」を起こしているサインです。

隠れた関門:「海外からの入金(外貨)」の処理は大丈夫?

ここは完全に意識していなかったのですが、海外で売上が立つような事業の場合「為替差損益」を考慮して会計処理をしなければなりません。

会計ルールでは「取引が発生した日の為替レート」で日本円に換算して「売上」を計上し、さらに「期末(12/31)」時点で残っている外貨も、その日のレートで評価し直す 必要があります。

具体例

  1. 売上日(1ドル=150円): 100ドルの売上が発生。→ 売上 15,000円 として記帳。
  2. 円転日(1ドル=155円): 送金サービスに貯まった100ドルを日本円に替えた。→ 15,500円が入金される。
  3. 差額: 為替で500円、儲かった。これが「為替差益」 という、事業の「収益」になる。

この「為替差損益」を正確に計算して申告しないと、税務署に突っ込まれる可能性があります。つまり、会計ソフト側がこの「外貨」と「為替差損益」の処理に対応していないと非常にめんどくさい。

もし自分の事業に「外貨」の入金が1円でもあるなら、検討中のソフトが「外貨建て取引」 や「外貨預金の連携」、「為替差損益」 の処理に対応しているか、先に確認し他方がいいです。

比較:「仕訳脳」に優しいのはマネーフォワードと、やよい?

freeeが合わないのは分かった。じゃあ、「仕訳脳」の持ち主は、一体何を使えばいいのか?

freeeが「簿記からの解放」を掲げる 一方で、「簿記の知識も活かしてこうぜ」というスタンスのソフトがあります。それが「マネーフォワード クラウド確定申告」と「やよいの青色申告 オンライン」です。
※買い切りのローカル用ソフトもいくつかありますが、税務関係のアプデにも対応しやすいようクラウド系で検討しています。

マネーフォワードは「企業で使うような会計ソフトに近い操作感」を意図的に残しているようです。実際、簿記の勉強経験がある人からは「使いやすい」と評価されています 。やよいは、日本の会計ソフトの「ザ・スタンダード」であり、当然「振替伝票」 や「仕訳の入力」 といった画面が用意されています。

どちらのソフトも、freeeが意図的に隠そうとした「事業主借」 や「事業主貸」 といった、公私混同を処理するための必須の勘定科目が普通に使えます。「振替伝票入力」画面から普通に仕訳を直接入力できる。これがだけで、私のストレスは8割解消されました。

最初の登録は面倒ですが、マネーフォワードとやよい、両方とも無料お試しできるので試しましょう。そして「振替伝票」または「仕訳帳入力」という名前のメニューを探して開いてみてください。「こっちのほうがわかりやすいわ」としっくり来たら、あなたはそちら側の人間です。

最終結論:私がマネーフォワードの「パーソナルミニ」を選んだ理由

軽く使ってみた感じ「マネーフォワード クラウド確定申告」の、一番安い「パーソナルミニプラン」 を契約しました。決め手は、「仕訳脳」に合うUI、私の特殊事業(外貨)への対応力、そして何より「あんたこれ要らないでしょ」って機能を削ぎ落としてくれた、一番安いプラン があったことです。

私の事業は、社会とのかかわりをできるだけ減らす目的もあるので、クライアントワークはありません。そのため基本的に「請求書」を発行する業務がありません。また、サポートもチャットやメールで十分なので「手厚い電話サポート」も不要です。MFの「パーソナルミニプラン」は、まさにこれらの機能が「ない」廉価プランでした。

比較検討した候補

  • freee(スターター) 私には不要な「請求書発行機能」 が最安プランに含まれていてその分他より高い。仕訳入力が使いにくい。
  • やよい(セルフプラン) サポートなしのプランはこの中で最安。とはいえ大差は無い。「外貨」への対応、特にWiseのような「外貨預金口座」の明細連携が、オンライン版では明確ではなかった(むしろ「明細は取得できない」との記述)。
  • マネーフォワード(パーソナルミニ) 簿記UIでOK。今は必要ないけど、外貨預金口座の連携にも対応していることを確認。「請求書不要・サポート不要」の最安プランがある。

もし「簿記知識あり」「外貨の入金がちょっとある」「請求書は発行しない」「サポートは最小限でいい」という私と似た条件なら、マネーフォワードの「パーソナルミニプラン」 が刺さるかもしれません。一度、機能一覧をご自身の業務と照らし合わせてみてください。

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