まえがき
ふと、何気ない作業をしていたとき(何だったか思い出せない……) 夏目漱石の『草枕』の有名な冒頭の一節、「智に働けば角が立つ……」が頭をよぎりました。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくこの世は住みにくい。
昔一度読んだことはあったものの、改めて読み返してみると、当時よりも強く胸に響くものがありました。
情報の紹介
作品概要:『草枕』とは
あらすじ自体は非常にシンプルです。「何が起こるか」よりも「どういう状況か」を味わう作品かと思います。
- 主人公:30歳の画家。
- 目的:人間関係のしがらみや、俗世間の嫌なことから離れ、「芸術的な気分」に浸るために旅に出る。
- 舞台:山奥の温泉宿(熊本県の小天温泉がモデル)。
- 展開:宿で出戻りの美しい女性「那美(なみ)」と出会う。彼女のミステリアスな振る舞いや、美しい自然風景を「絵画的な視点」で観察しながら過ごす数日間の物語。
- 結末:大きな事件は起きないが、最後に那美の顔に浮かんだ「ある表情」を見て、画家は描きたかった絵のインスピレーションを得る。
キーワード:非人情(ひにんじょう)
これは「人間味がない」「冷酷」といったニュアンスの意味ではなく、「世間の義理人情や感情から一歩離れて、物事を芸術作品のように客観的に眺める境地」を指すようです。
リンク
メモ
言葉選び、流れ、伝えたいこと、全てが美しすぎて、なんともいえません。
昔は「なんかいい一文だなぁ」程度でしたが、今は序盤を少し読んだだけで何故か泣きそうになりました。
非人情を求める旅なのに、最後は感情を見て何かを得る、というのもなんかエモいです。
作中で、「小説なんて適当に開いたところを読んでもええんやで」といった感じの話があるので、そのとおりふんわり読んでいっても面白いのですが、時代背景など知りたい場合は以下のような解説ページが参考になります。
印象に残ったフレーズ
奇麗な上に、風が吹いても苦にしない
「草枕」11章より 和尚のセリフ



