勢いで個人事業の届けを出したものの、会計の細かいことは考えていませんでした。簿記や経理の知識が多少あるのでどうにかなるだろうと甘く考えていたら、そもそも法人の会計とは考え方が全然違いました。
- 法人との違いは?
- 通帳やカードが生活費と混ざっていてもいいの?
- 個人事業の利益はどうする?
- 確定申告が決算の代わり?
- お金はどうやって分ければいい?
こういったことを調べたらなんとなくわかってきました。
が、まだ法人の感覚に引っ張られていてあまりしっくりきていません。
でも個人事業の会計の方がだいぶ簡素なのでそこまで心配する必要はなさそうです。
調査メモをとりあえず全部記事化したので内容的にかぶってるところもありますがご了承ください。
結論:個人事業の会計は「いつもの財布の中に“事業用の仮想ポケット”を作るだけ」
個人事業主には法人のような“別人格”が存在しません。
なので会計はシンプルです。
▶ いつものお金の流れの中で「事業に関するお金だけ」帳簿で切り出す。
これだけわかっていればだいたいOKです。
通帳・現金・カードが混ざってても大丈夫?
▶ 大丈夫。仕訳で分ければOK。
法人はお金が混ざるとアウトですが、
個人事業では法律上“1つの人格”なので混在しても問題ありません。
帳簿上では次の2つだけで区別します。
- 事業主借 … 個人の財布 → 事業に使った
- 事業主貸 … 事業口座 → 生活費など個人に使った
これで帳簿は正しく成立します。
決算=確定申告?
▶ 個人事業ではほぼ同じ。
法人:決算→法人税申告
個人:青色申告決算書→確定申告書と同時に提出
つまり、
「決算=確定申告に必要な書類づくり」
とほぼ同義になります。
事業のお金とプライベートのお金が行き来した場合は?
個人事業では 事業用のお金とプライベートのお金が行き来しても問題ありません。
法律上はどちらも「個人1人の財布」だからです。
その代わり、帳簿では以下の2つで必ず区別します。
事業のお金 → プライベート へ使った場合
▶ “事業主貸” を使う
例:
事業口座から生活費の買い物をした
→ 事業主貸 / 事業用口座
これは
「事業のお金を個人が借りた扱い」
になります。
プライベートのお金 → 事業 に使った場合
▶ “事業主借” を使う
例:
個人のクレカで事業の備品を購入した
→ 消耗品費 / 事業主借
これは
「個人のお金を事業に貸した扱い」
になります。
どちらも“経費には影響しない”
- 経費になるのは「何を買ったか」
- 支払い元が誰か(事業 or 個人)は関係ない
支払い元が混ざっても、
上記2つの仕訳で正しく切り分けられていれば問題ありません。
個人事業で利益が溜まっていくとどうなる?
まだ利益が溜まるような段階ではないのですが、
「売上が増えて利益が溜まっていくけれど、生活費として引き出さないと事業のお金が増え続けるのでは?」
という取らぬ狸の皮算用的な疑問が出てきました。
個人事業の利益=自分自身のお金(法人の利益とは別物)
法人の場合は
「会社という別人格のお金」
が利益として溜まります。
一方、個人事業は自分自身が人格そのものなので、
利益はすべて「個人のお金」として積み上がります。
帳簿上は「事業の利益」として残りますが、
法律上は全部自分の資産です。
生活費に使うときは“事業主貸”で取り崩すだけ
個人事業主には給与という概念がありません。
自分に給与を払うことはできず、また経費にもできません。
そのため、生活費が必要になったら
好きなタイミングで自由に引き出してOK。
その際の処理は
事業主貸 / 利益が入っている口座
これだけです。
事業のお金 → 個人の財布に移動しただけ
という扱いになります。
反対に個人の財布から事業にお金を入れた場合は“事業主借”
事業の資金が不足したり、個人のカードで経費を払った場合は、
○○費 / 事業主借
という仕訳になります。
これは
個人のお金 → 事業に貸した扱い
という意味です。
利益が溜まっていっても問題なし。必要なときに取り崩すだけ
個人事業では、
利益が溜まり続けてもそのままで問題ありません。
- 税金は「利益が出た時点」で決まる
- 引き出す金額やタイミングは税金に影響しない
- 引き出すたびに事業主貸で減らせばOK
なので、
利益が積み上がる
→ 必要なときに生活費として取り出す
→ その都度事業主貸で処理する
というのが利益の処理の流れです。
図解
自分の財布(1つ)
│
├─ 生活費(帳簿に載らない)
└─ 事業用の仮想ポケット(帳簿上だけ存在)
└ 利益が溜まる
ここに溜まった利益はすべて自分の資産であり、
生活費として取り出すときだけ「事業主貸」で減ります。
法人の「会社の利益」とは全く性質が違います。
個人事業主は“利益が自分の総資産になる”仕組み
- 利益はすべて自分のお金
- 引き出すタイミングは自由(給与という概念がない)
- 出金したら「事業主貸」で減らすだけ
- 個人から事業へ入れたら「事業主借」
- 税金は出金額ではなく“利益”で決まる
利益が溜まったら必要に応じて生活費へ取り崩すだけでOK
個人事業の全体像
個人(の財布)
├─ 生活費
└─ 事業用“仮想ポケット”(帳簿の対象)
帳簿で見るのは3つだけ:
- 売上と経費(事業の出入り)
- 事業主借・事業主貸(個人と事業の移動)
- 資産残高(口座・売掛金・未払など)
会計ソフトでの処理
● 個人カードで経費を払った
→ 通信費 / 事業主借
● 事業口座で生活費を払った
→ 事業主貸 / 事業口座
● 共用費(通信費・電気代)
→ マネーフォワードの場合「家事按分」機能を使う
● 個人の財布から事業に補填
→ 事業口座 / 事業主借
混ざっていても、仕訳で切り分けられれば問題ありません。
法人化するか判断する7つの基準
調べてたらついでにこの辺の情報もあったのでまとめてみました。
- 利益が500〜700万円を超えそう
- 事業主貸・事業主借が巨大化
- 外注・仕入れが増えて管理が複雑
- 信用が必要(企業取引、融資など)
- 人を雇う予定
- 節税策(社宅、退職金など)を使いたい
- 将来事業を売却したい
利益700万円ラインは目安になります。
売上が増えた場合の税金シミュレーション
前提:
- 経費率30%
- 青色65万+基礎控除48万
- 国保は概算
| 売上 | 利益 | 税額目安 |
|---|---|---|
| 300万 | 210万 | 約40万 |
| 500万 | 350万 | 約73万 |
| 800万 | 560万 | 約140万 |
| 1,200万 | 840万 | 約220万 |
利益800万を超えると法人化での節税効果が大きくなります。
まとめ:個人事業の会計は“最小限で十分”
- 個人事業は1つの人格
- お金は「事業用ポケット」を帳簿で切り出すだけ
- 給与は出ず、事業主借・貸で調整
月次〆もないしお金の出入りや移動も法人に比べたらかなり少ないので、基本さえ理解できればほとんど手間はかからなさそうです。
会計は最小限で事業に最大の時間をかけられるのが個人事業主の一番のメリットかもしれません。


